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真珠


石でない貝のつくった宝石、つまり、鉱物でない有機質の宝石としてあげられるのは真珠である。
真珠はその色彩・光沢が、あざやかな色と鋭い光輝で尊重される他の宝石とはちがって、やわらかい優雅な美しさを示している。その静かな美しさが、不思議に華やかな宝石類と調和し、古来、貴重な財宝の飾りの一部に欠くことのできないものになっている。


天然真珠

天然真珠は偶然に貝の体内にはいった寄生虫や小魚類の死骸片や砂粒などが一つの刺激となって、それを芯()として貝殻を作り出す大もとの外套膜の上皮細胞が真珠質を分泌し、その結果真珠袋という組織がつくられ、その中に真珠が形成されたものである。真珠のもとは、貝がつくる炭酸カルシウムであるが、これのみで真珠が形成されるのではなく、俗に「マキ」といわれて、炭酸カルシウムのアラゴナイトの斜方晶系の角形の結晶細片の集合からなる硬蛋白質の一種であるコンキオリンと称する有機質が接合を支え、規則正しく積み重なって層状構造をしている。もし、同じ炭酸カルシウムでも、六方晶系のカルサイトから形成されると、それは稜柱層であって、真珠の美しさはあらわれない。無機質のアラゴナイト層と有機質のコンキオリン層が相互に幾重にも積み重なってできあがった真珠層による光の干渉効果によって、ピンク系の美しい色調が産まれている。このような真珠特有の光沢や美しさの原因をオリエント効果とよんでいる。

真珠をつくる貝、つまり母貝は海産のものは、アコヤガイ、マベカイ、アワビ、カキであり、南洋の買海域では、シロチョウ貝クロチョウ貝などである。これらは一般に南洋玉と呼ばれている。

淡水産ではイケチョウ貝、カラス貝などである。

真珠は貝殻についているものは、いわゆる半円真珠と称されるものであるが、体内のものは円形ドロップ(ツユ)形、バロック(不定形)などで、円形以外の変形玉は各種の形状がある。殻についているのを殻付き真珠、貝の外套膜の周辺にできる光沢のよいものを袋玉(ハネダマ)、貝の蝶番にあるものを耳玉、外套膜の中にできる小粒をケシ玉(バラダマ)、貝柱にあるのをシン玉(ザラダマ)などと分類する。


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